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セルフカウンセリングをはじめよう

いよいよご自分の内面へ旅するセルフカウンセリングの始まりです。

わたしのところへいらっしゃるクライアントのお悩みは

・自分自身について

・家族や職場などの人間関係

・仕事について

を語る方が多いです。その悩みは現在進行形のこともあれば、過去のこともあります。

いずれの場合も幼少期・青年期の出来事と関連していることが多くあります。

例えば、現在の職場のことで悩みを抱えていたとしても話を掘り下げていくと小学校の友人関係に行きついたり、幼い頃の親への気持ちなどに行きつくのですね。

なぜかというと、過去に起きた出来事で残ってしまった感情的な傷や身体的な緊張や痛みは、それと同じような感覚になる体験を繰り返し引き起こすからなのです。

人間に備わった回復する力

トラウマ関連の本にも脳の働きのひとつに過去に体験したトラウマを思い出させるような記憶を意識に上らせることがあると書かれていました。

トラウマ体験の記憶が蘇ることはフラッシュバックと呼ばれていますが、日々の生活の中で頻繁に頭に浮かんでくるような方もいれば、長年忘れていた産後のつらい体験を子育てが終わって何年も経ってからある瞬間に思い出して悲しくなったりするようなことがあるようです。

これは、過去のどうにもできない辛い記憶のぶり返しのようにも感じますが、脳は何かここにまだ未解消のものがありますよ、回復していないものがありますよと常に健全な身体の状態へ回復しようとメッセージを送っているものともの捉えることができるようです。

人間の体には身体的・精神的緊張を元の状態へ戻す力が備わっています。しかし、それが何らかの理由や緊張・ストレスが慢性化すると元気な状態へ戻る力が働かなくなり心身に影響がでてくると言われています。

 

ここでお伝えするセルフカウンセリングも心身が回復するプロセスを進めていくひとつの方法です。繰り返される問題・いつまでも解決できないと感じる問題があるとそれを悪者として扱ってしまうことも多いですが、その問題は解消されるのをただ待っているだけ。そもそも問題を持っていない自分はどんな姿なのか?そこに意識を置いて自分の外側と内側の世界を見ていくと今まで見えていないかった新しい視点から問題を捉えなおすことができるようになっていきます。

 

置き去りにしている感情を受けとめる

まず第一ステップとして現在に問題を引きこ起こしている過去の感情を見つけて受けとめる作業をしていきたいと思います。

自分の中に置き去りにしている感情をみつけて受け止めることで今まで感じることのできなかっった安心感や安堵感を得られると思います。

また、自分の感覚や感情をキャッチする練習を繰り返すと、日常でなにかモヤモヤしたときにその根本的な理由まで瞬時にたどり着けるようになるのでモヤモヤがストレスになることもなく、大きな悩みに発展することも防げます。

今まで隠れていた自分の感情を発見することからはじめてみましょう。ポイントは頭で考えるのではなく、身体感覚をフルに使って感じていくことです。

-セルフワークショップ 紙に書き出してみましょう-

①あなたが解決したい・解消したいと感じていることを書きます。

特定の出来事であれば、いつ・どこで・だれが・だれに・何をした など

 

②そのことについてどんな気持ちがするか、なぜそう感じるのかを書きます。

形容詞(~い)で終わる感情を出します。例えば、悲しい、苦しい、寂しい、イライラするなど。体感のモヤモヤする、重たい感じがするなどでもOKです。

 

③過去に同じような状況、同じような気持ち、同じような体験になったことがあるか思い出して書きます

②で出てきた感情・感覚(重たい・冷たい・ヒリヒリする・悲しい・怒ってる etc. )を頼りに探します。

今のパートナーについてのことが、母親や父親との関係が反映されていませんか?

今の仕事に対する想いが、幼い頃に抱いた何かに対する想いと同じではありませんか?

関連することがたくさん出てきたらすべて書き出しておいてください。可能な限り過去にさかのぼって出てきた出来事、イメージ、思い出をしっかり思い描けるようにそのときの状況をメモをしておきましょう。

 

もしかしたら、たくさんありすぎてどこから手をつけていいか困惑することもあるかもしれません。最も大きな影響を受けていると感じる体験からはじめていきましょう。そのときの感覚をさらに掘り下げていきます。次のステップは自分自身の感覚と対話をします。

 

頭ではなく身体感覚・感情に聞く

上のワークショップででてきたことを頼りに、あなたを悩ませていることをひとつだけ取り上げます。

③のステップで現在と過去がつながったら、その一番古い記憶から始めてみるといいでしょう。

セルフカウンセリングですので自問自答の作業になりますが、答えは頭で考えるのではなく「なんとなくこんなかんじがする」というぼんやりした感覚が頼りになります。からだの重たく感じる、冷たく感じる、モヤモヤする部分などに意識を向けてそこからじんわり出てくる答えを待つことがキーです。あれがこうでこうだったから…状況説明のような問答になると前へ進めませんので注意が必要です。

表面に出ていた気持ちから奥にあるコアにある感情へたどり着くように進めていきます。

ひとりになれる静かでリラックスできる空間で、時間がたっぷりとれるときに行ってください。携帯電話の電源もOFFにするのがおすすめです。

 

このような感じで進めていきます。

例えば現在、家庭で夫から細かく指摘されるのをストレスに感じていて、その感覚を頼りに過去を見つめてみたら母親との関係に行きついたとしましょう。勉強について指摘された記憶が出てきました。

「小中学生の頃に(母親から勉強について)いつも何か言われて嫌だった」

Q. なにがそんなに嫌だったの?

A. 勉強はわたしがやることなのに押し付けられる感じが嫌だった

Q. 押し付けられるとどんな気持ちだった?

A. 頭の中が混乱した感じになった

Q. 混乱した感じになったんだね。どうしてそんなに混乱したんだろう?

A. 自分のペースを乱されるのが嫌だった。

Q. ペースを乱されるのが嫌だったんだね。乱されるとどんな気持ちだった?

A. 頭が混乱した。

(答えが繰り返しになったら他の質問へ切り替えます)

Q. 本当はどうして欲しかった?

A. 何も言わずに静かに見守って欲しかった。

Q. 見守ってほしかったんだね(新しい気持ちが出てきたのでしっかりその気持ちに寄り添って受けとめます)

他にどんな気持ちだった?

A. 自分ができない人間と言われているようで嫌だった。

Q. 嫌だったんだね。できない人間と言われたように感じたときの気持ちはどんな感じ?

A. 自分を否定されているようで悲しかったし、苦しかった。

Q. その悲しかったな~というのを一緒にしっかり感じてみようか(一緒に十分時間をとってその気持ちを受けとめる)

今はどんな感じ?

A. 悲しい感じが減って、安心した感じ

Q. もし、過去にいってその場でお母さんに何か言うとしたら、何か言いたいことはあるかな?

A. いろいろ言わずに静かに見守ってください。

Q. それをイメージの中でお母さんに伝えてみましょう。お母さんはどんな反応しました?

A. 少し困惑した顔をしたけど、はっきりわたしが言ったからしょうがないわねみたいな感じになった

Q. 言ってみて気分はどう?

A. 自分の思っていることをはっきり言うと相手の反応が変わって、なんかすっきりした感じ。

Q. そのすっきりした感じを十分に味わって、今回は終わりにしましょう。

深呼吸をして終わりにします。

 

<質問・返答のバリエーション>

・どうしてそんなに〇〇(感情・感覚)だったの?

・そのときはどんな気持ちがした?

・〇〇(感情・感覚)だったんだね-気持ちを受けとめる

・本当はどうしたかった?/ どうして欲しかった?

 

例の中で出てきた「コアの感情」は静かに「見守ってほしかった」「できない人間と言われているようで悲しかった」です。この2つの気持ちにしっかり寄り添って受けとめることで今まで感じていた感覚から新しい感覚へシフトできるようになります。そして、現在の問題となっているパートナーとの関係もここからヒントを得て「感じていることをはっきり伝える」「見守ってほしいと伝える」と応用することができますし、また自己認識についても「周りの人からできない人間と言われているように感じる」=「自分をできない人間だと認識している部分がある」ということですので、その意識を変えていくステップを始めることもできます。

 

例に書いたイメージの中でお母さんに伝えるという部分はオプションです。はじめのうちは、表層から深層へ感情をたどっていってコアの感情をみつけるところからはじめてみるといいでしょう。コアの感情にたどり着くと身体から独特のエネルギーが湧いていくるのを感じると思いますのでこれだとわかる方は多いと思います。

もしコアの感情がどれかわからない!という場合は思考がグルグルしている可能性が高いです。

その場合は、今なにをどう感じているか、身体感覚はどうかというご自分の「感覚」を日常生活の中で磨くところから始めてみてください。食べたいものややりたいことなどご自分に問いかけて身体が答える感覚をつかめるとこの作業もやりやすくなっていきます。

さて、みなさんこのセルフカウンセリングはいかがでしたでしょうか?

文章だけで伝えるのは限界があるのは承知していますが、試しにやってみてくださいね。

 


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