怒りのコントロール・平和なこころのつくり方

今回は怒りのコントロールついて書いてみたいと思います。

◆怒りヒストリーとアンガーマネジメントの本との出会い

実は、わたしの家族ほぼ全員が怒りっぽいという家庭環境で育ち

わたし自らも「イライラ・怒り」について悩んできました。

 

セッションでクライアントの話を伺っていても

両親から感情のパターンを受け継いでいる

もしくは影響を受けていることはとても多いケースです。

 

わたしの怒りの特徴は頻繁にイライラすることと、

突発的に爆発させることでした。

 

いずれも怒りの対象となる相手に大なり小なりの

攻撃(文句を言う、モノを投げるなど)をしてしまうことが問題でした。

そして、決まってそれをした後に大きな自分を責める波がやってきます。

まさに本人にとっては「感情の大嵐」です…(苦笑)

 

おもしろいことに、長い間悩み続けてきたにもかかわらず

「怒り」のマネージメント、コントロールに関する本を読んだのは

ここ最近になってです。

 

「怒り」はわたしにとって問題であると表面的には思っていても

潜在意識下では怒りを持ち続けているメリットが強く感じられていたのかもしれませんし

怒りのパターンをもっているのは恥ずかしいことに感じ、

それを手に取っている人として見られたくない

という意識が働いていたのかもしれません。

 

こころの勉強をはじめてから怒りのテーマをずっと扱ってきたのですが

根っこに張り付いてる「怒りグセ」は解決できていませんでした。

ここ数年で何度か大きな夫婦喧嘩をして

ホトホト自らの怒りにうんざり。

これまでもやってきたけれど、

本腰を入れて、もう本気でこの怒りをどうにかしようと決断しました。

 

決めることで、現実世界が動いていきますね。

数日も経たないある日に駅前で見かけたイベントのパンフレットにあった文字は

「アンガーマネジメント講座」というもの。

「アンガーマネジメントなるものがあるのか!?」と驚きました。

そして、なぜ今までその情報に自分がたどり着いていないのか不思議でした。

 

近くに図書館があったので、そのままアンガーマネジメントに関する本を探して数冊借りて読みました。

 

その中でわかりやすかったのものが『怒りのセルフコントロール』という本でした。

 

◆『怒りのセルフコントロール』で学んだこと

こころが穏やかでいるときには、相手のことも受け入れられるのですが

「怒り」に思考と感情が支配されているときは、

こころの容量が小さくなるとわたしは感じています。

 

そのときに使っている思考といったら自分目線のことばかり!

でも、それに支配されている間は自分がどんな思考をつかっているのかさえ

客観的に把握できなくなっています。

 

そこで、この本に書かれていたことがとても参考になりました。

この本では「思考のゆがみ」を「すべき思考」「相手が悪い思考」と名付けて説明してくれています。

 

たとえば、わたしの場合は怒っている最中に頻繁に使っている「すべき思考」は2つありました。

その「すべき思考」がでてきたら、違う言葉に置き換える方法が書かれていたので

自分のしっくりくる言葉に書き換えました。

 

ひとつは

「わたしの思い通りに相手は行動もしくは変化してくれるのが当然だ(変化についての思い込み)」

↓これを言い換えてて

「相手にも相手のやり方がある」「相手にも相手の考え方がある」

 

ふたつめは

「わたしに嫌な思いをさせた相手にそれを知らしめてやるのは当然だ(怒りをぶちまけて当然という思い込み)」

↓これを段階的に言い換えて

①「相手がわたしに嫌な思いをさせていると思っているが、それは間違いでそもそもの怒りの種はわたしがもっている。わたしは何に怒っているのだろう」

②「まずは、わたしが本当に求めていることを明確にして落ち着こう」

③「相手を責める気持ちが収まったらわたしが相手にして欲しいことを伝えよう」

 

これらのパターンとしてもっていた「すべき思考」が怒りの最中に出てきたら、

書き換えた言葉を積極的に思い出して新しい思考を使うようにしようと決めました。

 

◆本の内容を実践して、怒りの噴出を回避できた!

それまでも怒りがわいてきたときに、なんとかして回避しようと努力をしてきのは間違いないのです。

しかし、高い確率で負けていました。

 

その要因のひとつは自分に意識が向きすぎてしまうことだとわかりました。

思考の中で、相手を責めたり批判したりする気持ちがある一方で

そんな気持ちを持ち続けていたらいけないと思いイライラ・怒りコントロールしようとする。

でも、それができない…(>_<) というところでグルグルするのです。

そして、あるところでパチンと切れます。堪忍袋の緒が切れた~!

 

上にも書きましたが、わたしの場合はイライラ・怒りがわいてくると

思考が内向きになり、自分目線ですべて理解しようとします。

なので、相手が悪いと思ったらそれがどんどん増幅されて、

あることないこと含めて相手を攻撃する思考でいっぱいになっていくのです。

 

そこで、この本からもらったヒントを活用してみたのです。

家族で空港まで電車で向かっていたときの話です。

息子は1歳9か月。長時間の電車移動に飽きはじめていました。

空港まで向かう電車は最後尾の車両には座って

後方の窓から景色が見られるような座席がありました。

わたしはそこに座れば息子も移動を楽しめるのではないかと思いつきました。

夫にもそれとなく話をして、最後尾車両の一番後ろに座れる乗車位置で電車が来るのを待ちました。

 

 

電車が到着し、わたしは最後部の座席を目指して移動を始めたのにも関わらず、

夫はなぜか逆の方向へ。

わたしはミッションを遂行するために、夫にはなにも声をかけずに

窓から景色の見やすい席へ息子を抱っこして移動しました。

夫は相変わらず違う席を目指しています。

 

一番後ろの席には座れなかったのですが、無事に景色のよく見える席を確保できました。

しかし、なんだか釈然としない気持ちになってきました。

「みんなで一緒に座ろうと思ってたのに…」

「さっき一番後ろに座るっていわなかったっけ?」

「わたしが息子を飽きさせないためにいろいろ考えているのに夫は何もわかっちゃいない」

「夫がもっと先に動いてくれたら、もっと景色がよく見える席に座れたのに」

「なんて機転が利かないんだろう」

「あぁ~。(イライラ)」

 

という具合に、自分の中で不満がどんどん膨らんでいくのです。

お決まりのパターンでいったら、電車を降りる際に夫に「」内の心のつぶやきを

すべて言っています。「あなたのせいで…」という文句のエネルギーをたっぷり添えて(苦笑)

 

けれども、その日は違っていました。

夫に対してイライラしてきたときにわたしは自分に問いました。

 

「相手を責める後ろに隠れている、わたしが本当に求めていることは何だろう?」

・3人で一緒に席に座り、夫にも息子との会話を楽しんでもらいたかった

・夫に、わたしの意図と気持ちを理解してもらいたかった

・でも、一番の目的は息子に景色を見せて静かに過ごせるようにすること

 

※これは本を読む前から実践していた怒りの奥を観察する方法です。

これも怒りを鎮めるのに効き目があり相手に伝えたいことを明確にできるのですが、

なんとなくすっきりしない感じが残ることが多かったです。

 

そして、ここからが本で学んだポイントです。

「相手にこころを広げてみよう」と自分に言い聞かせてみたのです。

自分の気持ちではなく相手の立場を想像してみました。

夫はどうして、後ろの席に座ろうとしなかったのか?

わたしの言ったことが伝わっていなかったのか?

いろいろ思考を巡らせると、ある答えにたどり着きました。

「あぁ!夫はスーツケースを持っているので、段差のある狭い後部座席に座るのは難しいと判断したのだろう」

 

 

そうすると、それまで頭の中で鳴り響いていた不満の思考がすーっと消えてなくなりました

こんな体験は初めてです。

「こころの平和」の道を自ら一歩踏み出した瞬間でした。

この体験から、怒りが湧いている状態から穏やかな心を自分の力で選ぶことができるということを確信しました。

 

電車を降りる際に、「スーツケースがあったから、一緒に座らなかったの?」と聞いてみたら

正解(^^)/ わたしが後ろの席に移動するのもわかっていたけれど、スーツケースを持ったままだと移動

できないと判断して違う席に座ったそうな。

なんてことないのです。夫には夫の理由があって席を選んだだけの話だったのです。

 

相手がどのような理由でその行動をとったのかという意識を持たないままだと

「相手はこうすべきだ、相手が悪い」

という意識から抜け出せずに怒りがこころの中に留まったままになってしまうのですね。

 

この方法は、この出来事のあとにもわたしを助けてくれており

特に思った通りに息子が動いてくれずイライラを感じ始めたときにとても有効に使えています。

 
[char no=1 char=”Nao”] 人知れず「怒り」について悩んでいる方も多くいらっしゃるのではないかと思います。

もし、ひとりで取り組んでなかなか先に進まないと思ったときには、ぜひセッションへいらしてください。一緒に穏やかな心を目指していきましょう![/char]

セッションメニューはこちら

 

参考書:

『怒りのセルフコントロール-感情への気づきから効果的コミュニケーションスキルまで』(Amazon)

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