気持ちのいいお産!人生の宝物に。助産院でフリースタイル出産体験記


この記事を書いた人

たじりなおこ

TRE(トラウマ&ストレス解放エクササイズ)で長年の悩みを解消できた経験から「TREをもっと広めたい!」という想いで活動中。2019年国際認定プロバイダー、2024年アドバンスプロバイダー取得。20代半ばからセラピストとして約7年間、解剖学に基づくメディカルマッサージ、フォーカシングをベースにしたカウンセリングを提供。2児の母。TREで健やかな毎日を♡ 
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産休・育休のお知らせからずいぶん経ってしまいましたが

2019年2月28日に無事に出産しました(^^)

性別は生まれるまでのお楽しみにしていたのですが、助産師さんから「女の子ですよ~」と伝えられたとき、

「おお~、女の子か~」と感激しつつも、

出産直後は性別はどっち??なんて頭に浮かんでこないものだな~と感じました(笑)

今回はフリースタイルで臨んだ出産体験記を書きたいと思います。

多少、生々しい表現もあると思いますのであらかじめご了承ください。

 

「分娩台よ、さようなら」

子どもを産む前から、というよりも結婚相手も見つかっていない20代前半から出産について興味があり、何度も読んだ「分娩台よ、さようなら」という本。わたしの中では安産バイブル的な存在です。

「分娩台よ、そようなら」Amazonへ

著者はご自身が医療介入の多い出産を体験して、何か違うと違和感をもって自ら産科医を目指し(助産師ではなくお医者さんになってしまうところがすごいですよね)、医療介入を最小限に抑えた自然な出産ができる産院を開業した方です。「あたりまえに産んで、あたりまえに育てたい」この本のサブタイトルですが、そうするためにはどうしたらいいかという具体的なことも書かれてあり参考にしていました。

上の子の出産のときも助産院での出産を希望していたのですが、残念ながらB群溶連菌検査が陽性になって総合病院での出産になりました。

破水から始まった上の子のときの出産、病院の産科の大部屋のベッドで陣痛を待ちました。陣痛が来たのは夜10時頃、面会時間は過ぎていたので家族はそばにいませんでした。部屋には他の入院妊産婦さんがいたので声をひそめながら陣痛を一人で耐えました。

「痛い、痛すぎる…」とナースコールを押して来てくれた看護師さんはモニターを確認して「まだですね~」と言って去っていく…。「えぇ、行ってしまうのですかぁ~~」と心の中でつぶやきつつ、わたしの頭の中では夫が腰をさすってくれて、看護師さんがサポートしているそんな思い描いていた陣痛時のイメージと現実とのギャップにとまどい、真っ暗な部屋で陣痛の波が押し寄せる度に「うえ~ん、痛いよ~」と心の中で叫びながら、ナースコールを押すタイミングがもはやわからず手に汗かいてベッドの柵を握りしめてひたすら我慢しました。(もちろん、時間帯や病院によって状況や対応は様々だと思います)

冷や汗が出るほどの痛みになってきたので、意を決してナースコールを押し来てくれた助産師さんが内診をすると、おそらく子宮口が全開に近かったのでしょうか、分娩室へ移動しますねと言われて急いで分娩室へ…夫が到着したのは分娩台に上がってからしばらく経ってからのことでした。

そして、なんとか無事に出産。分娩台に上がってから約1時間半くらいで生まれてきてくれました。初めてのことだったので、大きなとまどいと興奮が入り混じったような時間でした。初めて見る我が子は小さくて小さくて、でもしっかりしたエネルギーを感じました。産後は会陰切開の痛さが残り、お股は痛いし、おっぱいは痛いし、わからないことだらけ中から赤ちゃんのお世話が始まりました。安産で出産して、病院ならではの細やかな指導とお世話をしていただいたので今となってはこれはこれでよい体験だったと感じています。

ですが、心密かにまたチャンスがあるならば2人目は助産院で産みたい!と思いを新たにしていました。

2人目の今回は妊娠前にTRE(トラウマと緊張解放エクササイズ)を行っていたおかげもあってか精神的にすごく安定して過ごせたこともあり、赤ちゃんは順調に成長(一人目は後期に入って「小さめ」とずっと言われていました)、そしてB群溶連菌検査も陰性!でパスすることができてめでたく助産院での出産にGOサインがでました。

 

陣痛からスタートした出産

前置きが長くなりました。

38週2日目に陣痛がきました。

赤ちゃんってすごいな~と思うのですが、陣痛が来る数日前までは上の息子が4月から入園する幼稚園の準備や出産準備など、手作りのものをつくったり慌ただしく過ごしていました。38週0日で助産院で健診を受けて、やることもひと段落したのでこれから何して過ごそうかなと思っていた矢先の日に陣痛が来ました。(とはいっても、漠然と2月28日に生まれるのではないかと何の根拠もなく感じていたのでそれにもびっくりしました)

夜中の3時頃からお腹の痛みが出てきて目が覚めました。

前日の同じ時間にも痛みが出ていたので前駆陣痛かもしれないと思い様子をみることに。

10~15分間隔になったら助産院に電話することになっていましたが、間隔がバラバラで4分~6分おきの痛みがしばらく続きました。4時になっても痛みが続き、この痛みの感じは陣痛に間違いないと思いつつも、それほどまだ痛くないし、まだ夜明け前だし、助産院に電話をした方がいいかどうか迷ってスマホを片手にひとりで廊下をうろうろ、ドキドキ。

5時になって、そろそろ夜も明けてきそうな空になってきたので電話をしようかな~どうしようかな~と思っているとおしるしが。これはもう電話するタイミングだと感じて助産師さんに連絡するとすぐに来てくださいとのこと。

すぐに起きてくれないかなと思っていた4才の息子もスクッと起きて支度をしてくれました。準備をして朝ごはんを食べて、息子の朝ごはんおむすびを作っていざ出発。

 

ゆっくり進む陣痛

陣痛の感じから、上の子のときとは違ってなんとなくゆっくり進みそうな出産になりそうだなという感覚がありました。

6時くらいに助産院に到着して内診してもらうと子宮口の開きは4~5センチくらい(10センチになると生まれる準備万端)、指で開けると8センチくらいまで広がるよ、今日の午前中には生まれそうだねということでした。

助産師さん曰く、陣痛が少し弱めなのでしっかり進めていきましょうということで、助産院の階段をトントンとかかとで降りたりのぼったりを繰り返しました。トントンと降りることで陣痛が促進されるそうで、階段を降りきるとズーンと陣痛が来たのでした。陣痛が来るたびに腰を回して痛みを逃します。

(写真↑ がんばるぞ~、えいえいおーと意気込んでいます)

 

息子と夫は朝ごはんを食べたり、遊んだりして過ごしていました。

まるで自宅にいるような超アットホームな雰囲気の中で陣痛が進んでいく温かさ。なんだかほんわかした気分でした。

 

階段トントンを繰り返して8時くらいになりました。なかなか赤ちゃんが降りてこないね~と話をしているうちに、だんだんと痛みも強くなってきて「う~、痛い~」と声が出るほどに。赤ちゃんの胎動のキックの位置が変わってきたので下に降りてきているのを感じます。

息子と夫はトランプゲームの神経衰弱で遊んでいます。「お母さんも一緒にやろうよ~!」と誘われましたが(笑)「お母さん、今お腹痛いからあとでね…!う~(痛みが)きたきた~」なんてやりとりをしているうちに、そろそろだなという感覚が。

分娩する和室に移動して、準備をしてるうちになんだかもうすぐ出てきそうという感覚が体を走ります。

「ズボン脱いだ方がいいですかね?」と助産師さんに確認すると「まだ大丈夫そうならどっちでもいいよ」と言われつつも、「いや、脱ぎます!」と言ってそさくさと分娩準備に入りました。体からの指令すごいですね。

 

どんな姿勢で産むか

出産2日前の妊婦健診で出産の姿勢について助産師さんと確認をしました。

和室での出産なので基本的にはどんな姿勢でもOK。どんな姿勢が一般的なのか伺ったら大きなビーズクッションに寄りかかる、もしくは横向きに寝て産むということでした。

そのときは納得して帰ってきたのですが、前述の本には四つん這い、和式のトイレスタイル、立ってなど重力を使って産む姿勢が多いと書いてあったのを思い出しました。

ところで動物の産む姿勢はどうなんだろう?と疑問に思い、お猿さんの出産をネット検索してみたところ、ゴリラの出産の動画を発見しました。

和式のトイレスタイルに近いでしょうか。なんとも、するりと上手に産み落としてお母さんが赤ちゃんを拾い上げていました。もちろん、人間と骨格が違うのでもしかしたら全然参考になっていないかもしませんが、この動画をみて、よし四つん這いでいこうと決めました。出産の前日です。

助産師さんに産みたい姿勢を伝えたのは、産む直前のことでした。(陣痛に気を取られて伝えるの忘れていました)

「あの~産む姿勢なんですけど、四つん這いでもいいですか?」と聞くと「あら、四つん這いね、わかりました」と快諾してくださり姿勢を教えてくれました。

さあ、ズボンも脱いだしビーズクッションを両腕で抱きかかえて準備は万端。

サポートの助産師さんも到着して、通常だったら見られて恥ずかしいような格好でよろしくお願いしますと挨拶して(笑) はじまりました。

 

出産の経過

サポートの助産師さんが来て早々、

陣痛と一緒だったかな?便意がきて「あー、すみません (>_<)、う〇ち出ちゃいそうです」と伝えると

「大丈夫だから出しちゃって」と言われてスッとふき取ってもらいました。

汚い話で恐縮ですが、陣痛がくると腸の収縮も起こって便を出してくれるそうなんですね。

赤ちゃんが産道を通るときに腸に便があると邪魔になることもあるそうです。

わたしも夜中の陣痛と一緒にお通じもあったので、直前は大丈夫かなと思っていたのですが少し残っていたものが出たようです。

よくあることだそうなので、これから出産を控えている方は安心して助産師さんに任せてしまってくださいね。

実はわたしもこのエピソードを他の方の出産ブログで読んで、そんなこともあるのかと知って安心したので、おもいっきり助産師さんにゆだねることができました。

もう、ここまできたら出産モード全開なので恥じもなにもありませんね。健診でも出産するときになったら本能そのままでOKだから!と言われていたので安心です。

ただ、夫と息子に目撃されなかったのはラッキーでした☆

息子と夫はトランプのゲームがなかなか終わらず、助産師さんに呼ばれてようやく分娩する部屋にやってきました。

もう、そのときはすでに痛みMAX。全身がしびれるような痛みでした。

「うう~痛いっーー」と声を出すと「しっかりして、お母さん!」と息子から一声(笑)

 

すっごい痛い陣痛の後にいきみたくなったので、「いきんでもいいですか!?」と聞いたら

「いいよ~」と助産師さんからの返事。(前回の出産では「まだだよ、まだだよ」って言われて苦しかった(>_<))

うーーーんっといきんで、お赤ちゃんが下に降りてくるような感覚。

いたーーーい、と声を出しながら体からのリズムにあわせていきんでいきます。

助産師さんから「やさしく、やさしく」と声をかけてもらって、力を抜きながらいきむのを意識することができました。

3回くらいいきんだら頭が骨盤の出口にはまったような、ここが超絶痛かったですね。

にもかかわらず、「ちょっと休憩しようか~」と助産師さんから。

「(いやいやいや、)このまま休むのは痛すぎますー!(頭はさまっているし!)いきみますー!」と言ったけど、赤ちゃんとのタイミングがやはり合っていないとだめなのか助産師さんからストップがかかり、ひゃ~この状態で休憩はキツすぎると思ったのもつかの間、次の陣痛がやってきて頭が出ました。(赤ちゃんありがとう!)

「あたま、出た出た~」と思っていると続いて体もトゥルンっと出てきました(まるで子牛の出産のような感覚!)すごいー!と感動。

助産師さんがしっかりキャッチしてくれて股の合間から赤ちゃんの姿がチラリと見えました。

そして助産師さんから股の間を通って生まれたての赤ちゃんを両手で受け取りました。まだへその緒はついたまま。あたたかい小さい体が手の中にやってきました。うお~、生まれたての小さい体の感触といったら!

体勢を変えて赤ちゃんを胸元へ。ちっちゃいけどしっかりしている体。がんばって出てきてくれたね!

それから、へその緒を夫と2人で切って体重測定などをしてもらってまたすぐ胸元へ。

赤ちゃんは自分からおっぱいの方へ口を向けて自分から飲み始めました。感動!

今回はしっかり胎盤も見ることができました。出血量も100mlと少なかったそうです !(^^)!

 

 

出産に立ち会ってくれた4歳の息子は、出血に少々驚いた様子で、彼の中では「血が出る= ケガ= 痛い」だったようでお母さん痛い?痛い?と聞いてくれました。血は出てるけど痛くないよと伝えて、その後も何回か説明しました。

少々興奮気味になっていましたが、お母さんのお腹にいた赤ちゃんが出てきた~としっかり見届けてくれたようです。

子どもに立ち会いをしてもらうと、立派に介助をしてくれることが多いと助産師さんが言っていました。そして、上の子がスムーズに赤ちゃんを新しい家族の一員として迎え入れやすいと本に書いてあった通り、赤ちゃん返りをすることなく家に帰ってからも赤ちゃんが泣いていると「泣いているよ」と心配してくれたり、わたしのことまで気づかってくれたりしました。ただ、赤ちゃんがいる生活も慣れて 2か月くらい経ったころから息子の赤ちゃん返り的甘えが出てきましたけれどね (^^)

 

赤ちゃんのシナリオ通り

陣痛が弱く始まってから出産までトータルで約6時間の安産でした。助産師さん曰く、陣痛が強くなってから1時間半くらい、分娩体制に入って30分くらいで生まれたので実質2時間くらいだねとおっしゃっていました。出産にかかった時間は短い方だと思いますが、陣痛が弱めでゆっくりだった理由を助産師さんが教えてくれました。

ひとつは、へその緒が首に一周していたこと、そして一般的に50~60cmくらいの長さのへその緒のところ、短い40cmほどの長さだったということでした。へその緒の長さが短くてさらに首に一周してたので、陣痛を弱くしてゆっくり苦しくないように出てくるシナリオだったようです。(へその緒が首に巻いていたのにも関わらず最初から最後まで心音が元気なままでえらかったと助産師さんは言っていました)

上の子とのときもそうでしたが、赤ちゃんが産む場所や生まれる日時、生まれ方なども選んできてるのではないかなと感じて不思議な感じがします。

 

会陰と産後のからだ

わたしが上の子を産むときに嫌だった会陰切開ですが、助産師さんはお医者さんではないので切開をすることは医療介入になるのでしないそうです。なので切れるかどうかはお股次第なのでしょう。今回はおそらく前回の出産で切開したところがパックリ綺麗にまっすぐ切れているということでした(切開して縫ったところは皮膚の伸びが悪くなるので切れやすいそうです)。助産師さんには切れたところはこのままでもくっつくし、ちょっと縫ってもいいけどどうする?と聞かれてそのまま自然治癒でお願いをしました。前回の出産後は会陰が痛くてまともに座れず、ご飯を食べるのも、授乳をするのもつらかったのが、今回は切れているのにも関わらず全然痛くなくて、驚きでした。こんなに快適だとは!2日目に少々チリチリする痛みを感じましたが、そのまま自然と痛みもなくなりました。

そして、出産したその日に帰宅OKがでました。母子ともに問題なければ産後2時間で帰宅できるそうです。

事前の健診で3~4日は入院するつもりと伝えていたのですが、産後とは思えないくらい体も元気で順調で自分でも驚くほど。帰宅の選択肢も迷いましたが、出していただけるお食事もおいしいと伺っていたし、せっかくなので1泊して次の日に退院することにしました。そして本当にお食事はボリューム満点、栄養満点、おいしくて最高でした。

ただ、出産した夜から赤ちゃんは寝ず…ほぼ一睡もすることなく朝を迎えました。でも大丈夫、これも経験済みなので今回はこんなことじゃヘロヘロになりませんよ!(笑)出産から産後の入院まで贅沢なほどのプライベート空間で、赤ちゃんが泣いても、ひとりで赤ちゃんに歌を歌ったり話しかけても周りを気にすることなく過ごせたのは本当によかったです。その後の赤ちゃんの経過は通院で診てもらいました。

ひとりめのときは、わたしもまだ頭でっかちな部分があってこだわりと葛藤しながらの妊娠~産後の期間を過ごしました。今回は2回目ということもあって、道筋が多少見えている部分、上の子がいろいろな意味で鍛えてくれたことによってスムースなお産と母乳でスタートすることができました。こうして2人目の赤ちゃんを迎えた生活がスタートしました。

 

 

お産を振り返って

本当にいいお産だったな~、本当に楽しかったな~!と体感の記憶が薄れた今でも心の底からその感覚が湧いてきます。

出産直後は「産んだぞー!」という興奮した気持ちでいっぱいになっていのですが、少し時間が経つと本当にお産というのは周りの人のサポートと、赤ちゃんの力と、からだの神秘と、宇宙の神秘と目に見えるものと見えないものと大きな力に支えられて命を生み出すことなんだなと感じて謙虚な気持ちになりました。

現実的にも本当に助産師さんの素晴らしいサポートのおかげで、陣痛中も苦しさはまったくなく、むしろ日常の延長線上のような感覚のまま過ごすことができ、出産も思い描いていた以上の素晴らしい体験になりました。

「出産=病院で」と選択を方が大多数を占めていると思います。助産院で産むには、ある程度の条件をクリアしなければならないし、病院ではないというリスクもあります。けれど、わたしの今回の素晴らしい体験から、ひとりでも多くのかたに助産院での出産を選択肢のひとつとして検討してもらえる機会になればうれしいなと思いました。なぜならば、出産はそのまま赤ちゃんのお世話へ、赤ちゃんとの関係づくりへと続いていくと感じるからです。

長々と書いた記事を最後までお読みいただきありがとうございました。この記事の内容はあくまでもわたし個人が体験したものなので、間違っている部分もあるかもしれませんのでご了承ください。

出産をサポートしていただいた助産師さん、家族、元気に生まれてきてくれた赤ちゃん、友人たち、本当にありがとうございました!

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