TREの独特の振動はSITT(Self Induced Therapeutic Tremors:自然に誘発される治癒的な振動)と呼ばれ、動物が本能的にストレス状態から体を回復させるときに出す震え・振動と同じメカニズムのものと考えられています。

こちらに、レオパードに襲われたインパラがバブーンに助けられて命拾いをする動画があります。インパラが襲われたところから動画は始まりますが、その前には全力で逃げていたことでしょう。凍りつき状態から回復する際の震えにご注目ください。(※インパラの顔が嚙みつかれている場面から始まりますので、刺激に弱い方はご注意ください。)

動画時間
2:00 インパラの呼吸はまだ見えません
2:18 お腹が動いて、呼吸が戻ってきたのがわかります
3:13 体の振動が始まります
3:42 目に生気が戻ってきました
4:06 立ち上がり、元気に走って去っていきました

野生動物はこのように生命の危機のようなストレスに直面した後、体を震わせて回復に向かいます。この振動が、敵から逃げる際に分泌されたアドレナリンなどのホルモン・体を動かすためのエネルギー、またフリーズ状態になった際に分泌されたホルモンなどの解放を促し、神経系を戦う・逃げる・凍りつくモードから平常モードへ回復させる考えられています。

 

紛争地で活動していたTREの創設者であるデイヴィッド・バーセリ博士は、現地で爆撃などがあった際に幼いこどもは恐怖で体を震わせるのに対して、大人はその震えを出さないように抑える傾向があることに気づきました。これは人間は動物と異なり大脳が発達しているため、からだの自然な震えという欲求を抑え込んでしまうことがあると考えられています。(動物のように自然に震えない理由は詳しく説明すると他にもあるので、また別の記事で書きたいと思います)

本来、自然の回復システムとして備わっている身体の震えに注目したバーセリ博士は、この振動を人為的に出すことで身体をバランスの取れた状態へ戻せることができるのではないかと研究を進め、TREの今につながっています。

このように、TREの振動は動物が本能的にもっている回復メカニズムと考えられているので、体を動かせる人であれば誰でもこの振動を体験することができると言われています。

 

震え・振動によって何が起きるか

TREにはどんな効果があるのか?と疑問に思われる方が多いと思うので、大まかに3つ説明したいと思います。ただ、TREの効果の感じ方は個人差があり全ての人に同じような結果が得られるものではないことをあらかじめお伝えしておきます。また、特定の疾患の治癒や予防を目的としたものではなく、あくまでも自分の心身を自分でケアできるサポートツールであることをご理解いただければと思います。まずは実際、ご自分の体で体験することをおすすめします(^^)

肉体的(筋肉的)な緊張の解放

物理的な動作によって硬くなった筋肉・筋膜が震えによって緊張が緩和されます。交通事故によるむち打ち後に続く筋肉の緊張や、スポーツ選手や音楽家など同じ動作を繰り返すことの多い職業の人にある筋肉緊張などが当てはまります。(強い痛み・炎症が起きている場合はTREは行わず、症状が収まった後のケアとして活用します)

過去のストレス・トラウマ状況の記憶・感情・身体的緊張の解放

TREは心理ワークではないので、特定の過去の出来事やそれに関する記憶・感情を意図的に扱うことはありませんが、振動を出す中で自然と過去の記憶・感情が湧き上がってくることがあります。振動しながらそれらを感じて、受けとめていくことで身体的な緊張感が緩和されるなど、体と脳で適切な処理が進められていきます。

自律神経系のバランスが整う

TREではポリヴェーガル理論という、自律神経系の中でも特に迷走神経系を3つの階層に分ける理論をベースに振動と神経系について説明しています。3つの階層とは① 社会交流システムとして働く「腹側迷走神経(副交感神経)」 ② 闘う逃げる反応の際に働く「交感神経」③ 凍りつきモードになって必要最低限の生命活動になって命をつなぐ「背側迷走神経(副交感神経)」に分けられます。

これらの神経系は脳と臓器や筋肉などをつないでおり、情報伝達を双方に行っています(迷走神経系は80%が体から脳への伝達を占めています)。ストレス・トラウマ状態にあるとき、自律神経系は自己防衛のために働いていることが多く、芯からリラックスした感覚や安心・安全を感じづらい状態になっています。

TREの振動を出すことで、自己防衛のために働いていた自律神経系が「もう安心して大丈夫」という状態に切り替わり、本来のバランスのとれた状態へ戻っていきます。

※重度のうつ病など、心療内科などに通院中・服薬がある方はTREを行う際に注意が必要です。必ずプロバイダーにご相談ください。

 

実際の感想

TREセッションにいらした方の感想例です。初回は体の痛みの軽減や眠りの質の向上などを感じる方が多く、継続している方はより深いレベルの心身の変化を感じていただける傾向にあります。

【初回の感想】

・セッションの翌朝、長年抱えてきた腰痛を感じずに起きることができた(その後数日間は痛みがなく過ごせるそうです)

・心地の良い疲労感・眠気を感じて、夜ぐっすり眠れた

・穏やかな感覚・落ち着いた感覚を感じられた

【継続している方の感想】

・横隔膜の緊張が緩んで、呼吸がしやすくなった

・人前での緊張感、顔のこわばりが緩和された

・今まで感じないようにしてきた感情を少しづつ感じられるようになってきた

・日常的に頭に浮かんできていた過去の嫌な記憶を思い出さなくなった

など

 

次回の記事では、TREではどのような震えがでるのか?「震え・振動・動きとプロバイダーの役割」についてお話したいと思います。

→次の記事へ




【 最新のお知らせ 】

TRE(トラウマ&緊張解放エクササイズ)の参加者を募集しています対面セッションとオンラインセッションからお選びいただけますので、遠方の方や長時間の外出が難しい方もご参加いただけます。期間限定料金のうちにお試しください(^^)/

対面のセッションについては→こちらをクリック

オンラインセッションの詳細は→こちらをクリック


<セッションのご感想>

・身体がひとりでに動いてとても心地よかった

・こわばりのある体の部分が楽になった

・昔に大きなケガをした右膝に対する信頼感を感じることができた

・振動が通っていない身体の部分に意識を向けただけで体が動き始めて驚いた

・忘れていた昔の怖い・悲しいという感覚があったということを思い出した

・振動後に胸から口までの通りが良くなって呼吸がしやすくなった

・顔の緊張がゆるんだ

みなさまにお会いするのを楽しみにしています!