はじめに

みなさんは、ご自分の気持ちとどのようにお付き合いしているでしょうか?

楽しいことがあれば喜び

悲しいことがあれば涙を流す…

自然に湧きでてくる感情をありのままに感じているでしょうか?

今回は困った感情を上手に扱い、整理する方法をお伝えします。

これまでのわたし自身の経験とセラピストの仕事を通して得たものをベースに

お伝えしますので参考として読んでください。

出来事→思考→感情→定着

感情の整理できない状況というのはどんな場面でしょうか?

長期的な親子関係から、短期的な仕事での出来事など

さまざまあると思います。

まずは、その状況ができあがる過程をみていきたいと思います。

① ある出来事が起こります。あなたはそれを不快に感じています。

② それに続いて思考と感情が湧いてきます。イライラ、悲しみ、不安…

③ そして、その出来事に意味づけを始めます。
「あの人がこう言ったから…」
「あの人の態度はなんなんだ!?そういえば前にも…」
「ああ、どうしよう。困ったな…」

④ その言葉たちで頭の中が埋め尽くされて、客観的な思考の入る余地がなくなります。

⑤ こうして、その出来事がこころの中に定着します
「そういう出来事だ(わたしはあの人に嫌な思いをさせられて腹が立つetc.)」と。

⑥ 消化されないままの何かが残ったような状態になりモヤモヤが残ります。

 

いかがでしょうか?みなさんにも同じようなことが起きているでしょうか?

「本当の気持ち」を知ることが感情の整理につながる

この感情的なストレスを多くの場合は、誰かに話すことで解消したり、

お酒やカラオケ、他の趣味なので解消をする人が多いかもしれません。

しかし、残念ながら解消されないものが残ってしまうことがあります。

そのような場合にはこころの中をのぞいてみましょう。

 

こころには「層」があるとわたしは感じています。

先ほどの例ですと、

出来事+思考・感情⇒「わたしはあの人に嫌な思いをさせられて腹が立つ」。

定着した思考と感情は「相手が悪い」+「怒り」です。

表面的には「怒り」なので、ご本人も怒りを感じています。

しかし、その「怒り」をよーく観察していくと違う感情が出てくるのです。

 

やってみよう!あなたの「本当の気持ち」を探ってみる

では、あなたが今なにかこころにわだかまりを感じていて、

それをどうにかしたいと感じているとしましょう。

まずは、下記のものを用意してトライしてみてください。

<用意するもの>

・紙とペン(なければスマホでもOKですが紙とペンがおすすめ)

・ひとり静かに座れる集中できるスペース

① まずは、3~5分ほど深呼吸をしましょう。

ひと呼吸が1分間に12回以下くらいがおすすめのリズムです。

② わだかまりを感じた出来事を簡単に紙に書き出します。

例)上司から理不尽なことを言われた、彼が話を聞いてくれない、など

③ 出来事で感じた感情を書き出します。

状況ではなく感じた感情を表す単語を選んでください。

例)悲しい、恥ずかしい、腹立たしい(イライラ)、不安、など

④ 出てきた感情に「どうしてそんなに〇〇(感情)なの?」と聞きます。

まずはしっかりその感情を感じてから質問をしてください。

例)「どうしてそんなに悲しんでいるの/ 怒っているの?」

ここでのポイントは、頭で考えて出てくる答えではなく、

こころで感じていることをよーく観察することです。

「どうしてそんなに悲しんでいるの?」と友達に聞くように

ご自身の感情に聞いて答えが返ってくるのを少し待ってみてください。

じわ~という感覚が伴うの返答があったらOKです。それをメモします。

⑤ 新たに出てた感情に質問を繰り返します。

コアにある感情「本当の気持ち」にたどり着くと

「あぁ、わたしは本当はこれを感じていたのか!」

とご自分でわかることが多いと思います。

⑥ 「本当の気持ち」を見つけたらそれをしっかり受けとめて

(例「怖かっただけなんだな~」)

深呼吸をしてその新しい感覚を味わいます。

⑦ この一連の作業でスッキリした感じがあれば終了です。

まだ、わだかまりを感じるようであれば引き続きその感情に質問をしていきます。

⑧ 出来事に相手がいる場合は相手の立場を想像します

その人の気持ちや行動の原因などをこころで感じながら想像し、

自分が納得できる理由まで到達してください。

さらにわだかまりを解消しやすくなります。

実際に起きた出来事と感情の遷移

わたしの実際に起きた体験談です。この方法で感情がクリアになりました。

① 出来事:お店の店員さんににらまれた(と感じた)

ある日、プレゼント用のバッグを買いに行きました。

品物を選んでレジにもっていき、プレゼント用に包装をお願いしました。

包んでもらっている間に色違いのバッグがあったことを発見。

すでに商品の支払いも済んで包んでもらっている最中で申し訳ないと思いつつも

色違いのバッグに交換できるかどうかレジに持っていき店員さんに聞きました。

 

すると、包装をしていた店員さんAがこちらをにらむように見てきたと感じました。

「包んでいただいているいのにすみません…。」と言うと

レジ担当の店員さんBは「大丈夫ですよ~」と交換してくれるとの快い対応。

再度、商品を包みなおすことになった店員さんAは、

ため息まじりに包装しおわった袋をベリベリっとはがして、やり直しを始めました。

口から文句がでそうなくらいイライラしているように感じられます…。

包装が終わって再度お詫びとお礼を伝えてそのお店を後にしました。

② 出てきた思考・感情:店員さんにムカムカする

「申し訳ないことをしたな」

「レジに商品をもっていく前にきちんと他の色を確認すればよかったな」

とはじめは反省したのですが、

店員さんAの態度を思い出すとなんだかモヤモヤしてきました。

「たしかにわたしも悪かったけど、お客さんをにらむことはないんじゃないか」

「接客業として、あの態度はまずいんじゃないか」

「なんだかすごく責められているみたいに感じる」

「あ~なんかモヤモヤイライラしてきた!」

「ねぇあの店員さんの態度ひどくないっ!?」って誰かに言いたくなってきたっ!

(思考にどんどん輪がかかって、ヒートアップしています。笑)

 

最終的な思考と感情をまとめると

思考:「あの店員さんはひどい」感情:「ムカムカする」

といったところでしょうか。

③「本当の気持ち」を探る:悲しかった、ショックだった

ヒートアップしてきたころで、

「おっと!感情に飲み込まれているぞ!このままにしていても得るものはない」と

気持ちを切り替えて、自分の内面をみていくことにしました。

 

まずは、どうしてそんなに「ムカムカしているの?」と聞きます。

答えが返ってくるのを待ちます。

 

A.「店員さんの態度が嫌だった」

↓(質問を繰り返します)

Q.「何がそんなに嫌だったの?」
A.「にらまれて嫌だった」

Q.「にらまれたときにどんな気持ちがした?」

(状況ではなく、自分の感情に焦点を当て続けることがポイントです)

A・「(店員さんの予想外の反応で)ショックだった」

Q.「他に感じたことは?」

A.「びっくりした」「悲しかった」(※コアの感情「本当の気持ち」がでてきました)

Q.「どうしてそんなに悲しかったの?」(その理由をさらに聞いてみます)

A.「プレゼント選びの楽しい感じが害されて傷ついた感じ」

「自分が責められて小さく感じられるような感じ」

Q.「そうかぁ、責められて傷ついた感じがしたんだね~」

「悲しかったんだね~」(感情をうけとめる)

 

「本当の気持ち」を受けとめたら最初の場面をもう一度思い出して、

気持ちがクリアになっているかどうか感じてみます。

「ムカムカする」という感情が解消されていました。成功です。

④ 相手の立場を想像する・こころを広げる

相手の立場にたって、その行動の理由や気持ちを想像してみます

このときも頭で考えるのはなく、

気持ちに寄り添うように想像することがポイントです。

 

-わたしも、店員Aさんと同じ状況になったら態度には出さなくても心の中では

「買う前にちゃんと商品みてよ~」「仕事増やさないでよ~」と思ったかもしれない

ーもしかしたら、朝からご機嫌がナナメな状況があったのかもしれない

-まだ仕事をはじめて間もないのかもしれない

-思い返せばわたしもアルバイト時代はお客さまへの配慮が足りないことが多々あった気がする

そういえば、お客さんのことよりも自分のことばかり考えて仕事していたかもなぁ…

 

その店員Aさんの状況は実際にはわからないので想像上のものですが、

わたしも過去にお客さんに対して同じようなことをしていたかもしれないと思ったら、

なんだか自分を見せられているようで、Aさんを責める気持ちが消えていきました。

そして最後に、自分とAさんに愛と祝福(まじめに!笑)をおくって終わりにしました。

 

途中のステップから進まない場合のQ&A
感情に質問をしても返答がわからない

「どうしてそんなに~と感じているの?」と聞いても、

その返答がよくわからない。行っていることの意味がわからない。

セッションのクライアントにもそのような方は多くいらっしゃいます。

そのような場合は、まずは思考・感情の観察を日常ですることをおすすめしています。

頭をつかっているのか、こころで感じているのかその感覚の違いが

感じられるようになるとこの作業がしやすくなります。

「本当の気持ち」がどれなのかわからない

この場合は、思考がグルグルしている可能性があります。

ひとまず深呼吸をしてリセットしてください。

意識を思考ではなく、じんわりする感覚が伴う感情に向けて

再度質問をしてみてください。

それでも、よくわからなければ最後に出てきた感情を

しっかり受けとめて終了してください。

ひとりで取り組むのが難しいと感じたら

上記のように、途中のステップから進まないことがあると思います。

また、長期にわたって抱えている問題などは複雑化していたり

頑固になっていることが多いのでより難しく感じるかもしれません。

その場合には、下記におすすめの本を記載しますので

それを参考にしてみてください。

また、個人セッションでは今回お伝えした内容の元になっている

からだの感覚にフォーカスして感情を紐解いていく方法などを用いて

ひとりひとりに合わせた対話をしていますのでご活用ください。

 

まとめ

感情的なストレスを上手に扱え、整理ができるようになると

こころがいつも快適な状態でいられるようになります。

そんな毎日をたくさんの人が過ごせたら、世の中に幸せが広がりますよね!

さらにステップが上がると、このような「本当の気持ち」でさえも

手放して、世界に身をゆだねる状態へとなっていきます。

ヨガや仏教などの修行者、「奇跡のコース」のワークなどは、

このような自我(エゴ)から出てくる感情や感覚を意識的に切り離して

神我(スピリット)とつながることを目指しています。

今わたしはその意識まで到達できるように、日々練習中です!

こちらについては、また別の記事に書きたいと思いますので

ご興味ある方はぜひ読んでみてください。

おすすめの関連図書

今回お伝えした「本当の気持ち」を探る方法は

フォーカシングという手法がベースになっています。

からだの感覚を言語化してそれに問いかけるという特徴があるので、

お伝えした内容そのままではないのですが、

この本は、ひとりでも実践しやすいように読みやすくまとめられており

気持ちを探るときの自分への質問のバリエーションが知りたい方、

もう少し詳しく知りたいという方にお役に立つと思います。

『やさしいフォーカシング―自分でできるこころの処方』(Amazon)

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