この記事を書いた人

たじりなおこ
TRE(トラウマ&ストレス解放エクササイズ)で長年の悩みを解消できた経験から「TREをもっと広めたい!」という想いで活動中。2019年国際認定プロバイダー、2024年アドバンスプロバイダー取得。20代半ばからセラピストとして約7年間、解剖学に基づくメディカルマッサージ、フォーカシングをベースにしたカウンセリングを提供。2児の母。TREで健やかな毎日を♡
▶プロフィール詳細
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たじりなおこ
TRE(トラウマ&ストレス解放エクササイズ)で長年の悩みを解消できた経験から「TREをもっと広めたい!」という想いで活動中。2019年国際認定プロバイダー、2024年アドバンスプロバイダー取得。20代半ばからセラピストとして約7年間、解剖学に基づくメディカルマッサージ、フォーカシングをベースにしたカウンセリングを提供。2児の母。TREで健やかな毎日を♡
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HSP…ハイリー・センシティブ・パーソンとは、アメリカのエイレン・アーロン博士が提唱したもので、感受性が高く、刺激に対して敏感な気質を持つ方のことを指します。5人に1人があてはまると言われています。博士のHPもぜひ参考になさってください。
TREに興味を持たれる方の中にはHSP傾向がある方が比較的多いのではないかと個人的に感じています。
わたしもHSPセルフ診断によると、チェック項目14個以上がHSPの傾向有りという中で21項目にチェックが入り、別のサイトの診断でも「HSPの傾向は80~100%」という結果になったので、HSPの傾向を持っているといっていいと思います。
加えて、刺激追求型のHSP(HSS)という結果で、周囲の影響を受けやすいのに外に出たい好奇心のエネルギーを一緒に持ち合わせているので、楽しいことや遊びをしてもその後にどっと疲れれてしまうということが以前は往々にしてありました。
HSPといっても、人それぞれ反応する対象が違いますよね。わたしの場合は特に音と周囲の人の感情・状態に敏感です。時計のカチカチ音、エアコンの室外機の音、掃除機や換気扇などファンが回る音、そしてBGMで歌詞がある曲は苦手です。また周囲の人の影響を良くも悪くも受けやすく、どれが自分の核なのかわからなくなる…などなど
人によっては、光・匂い・肌ざわりだったり、他の人が気にならないようなことが気になってしまったりということがあると思います。
ただ、全般的に言えることはその反応の度合いはその時のストレスレベルによって差が出るというもの。『繊細な人が快適に暮らすための習慣 医者が教えるHSP対策』という本にはこう書かれています。
ー 敏感さは、ストレスによって上下する ー
人によって、敏感さの度合いや、気になるポイントは違います。
対して、一人の人の敏感さは、一定で不変なのでしょうか?
その答えもNOです。ある音がやたらと神経に障る日もあれば、「意外と平気」と感じる日もあるものです。きっと皆さんにも覚えがあるでしょう。
では、どんなときに過敏になり、どんなときに平静でいられるのでしょうか。
その最大のキーワードが、ストレスです。
ストレス値が高いと五感はピリピリと緊張し、ストレス値が低いと、刺激に対する耐性は高まります。これはHSPの自覚がある方々に限らず、どんな人にも共通する法則です。
西脇俊二 著
『繊細な人が快適に暮らすための習慣 医者が教えるHSP対策(Amazonへ)』
ストレス値によって、過敏になったり平静でいられたりするということを身をもって体験されている方もおられると思いますし、気がついていなかったとしても、振り返ってみると敏感さが常に一定でないことはなんとなく感じられるのではないでしょうか。
わたしも長年のHSP経験(笑)から、いかにストレスレベルを下げた状態を保っていられるかが敏感さに翻弄されない大切なポイントだと思っています。そのためには、いつどんなときにストレスがかかりやすいか、それに対処するための方法は何かをご自身で探求するのもおすすめです。まだご自身のストレスについて整理立てて考えたことがないという方は、ぜひ紙に書き出してみてくださいね。
紙に書き出すこと
・いつどんなときにストレスがかかりやすいか
・ストレスがかかるとどんな反応が出るか、何により敏感になるか
・何をするとスッキリしたり、穏やかな状態に戻りやすいか
わたしも以前は自分が何にストレスを感じるのか、なぜストレスがたまったときに爆発 or 疲れ切ってしまうのかわからずにアップダウンが激しかったのですが、ストレスマネジメント的に自己観察をして自分の取扱説明書のようなものを今は手に入れています。はじめはまとまりがないかもしれませんが、繰り返し書き出していると徐々に傾向があきらかになってくると思います。現段階でのわたしの例はこんな感じです。
・ひとり時間が少ない
・タスクが重なっている(仕事、家庭・家族のこと、地域の活動など)
・月経周期の生理前(ホルモンバランスの影響)
この3つが重なるとストレス値が上がります
・子どもたちの声、テレビの音がうるさく感じる
・換気扇と掃除機の音がすごく嫌に感じる
・体の中、頭にエネルギーがたまって沸騰する感じ
・人から言わるれたことに過敏に反応する(悲しみ、怒りの感情が出てきやすい)
・不機嫌になる、話に耳を傾けない、行動が雑になる(周りに迷惑がかかります…)
・ストレス値が上がっていることを家族に伝える
(お互いにストレスのパターンを知っていると助け合いにつながります)
・ひとり時間をつくる
・散歩、山登りに行く
・早く寝る
・しっかり瞑想
ストレスへの対処法は、大きく分けて外向きと内向き、ひとりになるか安心できる人と一緒にいるかに分かれます。例えば、誰かとおしゃべりする、カラオケで歌う、静かに読書や音楽を聴く、心地の良いバスタイムやアートをするなど、みなさん人それぞれなので、何が自分を心地よく平静に戻してくれるのか探す時間も癒しにつながると思います♪
そうはいっても、ストレス要因を自覚して対処法をすれば健やかな状態にすぐに戻れるという方もいれば、いつもストレスや緊張まみれで、休息できる暇なんてないという方もいますよね。
わたし自身も、すぐに平常モードに戻れるようになったのはここ数年の話しで、以前はわかっていても自分のストレス反応に翻弄されていました。TREをはじめてから、それが自律神経系の調節不全からきているものだということがわかりました。
自律神経系の調節不全を引き起こしていたのは、HSP気質もさることながら過去のストレスやトラウマが大きな要因のひとつでした。些細なことで、人から言われたことに対して過度に怒ったり悲しくなったりしていましたし、そして自分自身にとても厳しい視線をもっていました。
トラウマといっても、その言葉から想像されるような大々的なものではなく、幼い頃に親から言われたことや学校の友だちとの関係で傷ついたことなど誰でも体験するような内容のものです。今思い返せば、HSP気質がゆえに必要以上に言われたことに敏感に反応したり、傷つきやすかったこともストレスやトラウマを体に記憶をためやすかったのかもしれません。
ちなみに、トラウマがあると特定の場所や状況、物事、人との関係の中に過敏さが出てくることがあります。それがHSP由来の敏感さと混同されてしまうことも多いのではないかと思います。なので、もしかしたらHSPでお悩みの方の中にはもしかしたらトラウマから来る過敏さを持ち合わせている方もいるのではないかなと思っています。
HSPは生まれ持った気質なので、敏感さがゼロになることはないそうです。ストレスとうまくつきあって、そのHSPの性質を素質として活かしていけるといいですよね。一方、過去のストレス・トラウマ反応としての敏感さはケアをしていくことで、(絶対とは言い切れないですが)解消もしくは軽減することが可能です。そこが大きな違いだと思います。
わたしがお伝えしているTRE(ストレス&トラウマ解放エクササイズ)は、自律神経系の働きを調整してくれるエクササイズです。表面的なストレス解消法というより、体の内的システムから改善を目指す手法です。
わたし自身、HSPの敏感さの軽減を目的にTREに取り組んだきたわけではないのですが、結果TREを続けたことによって時計のカチカチ音やファンの音を気にするレベルが下がりました。以前は耳のすぐ近くで聞こえるような感覚でしたが、今は遠くから聞こえてくるような感覚になりました。
おそらく、以前はいつも交感神経系が優位(「神経がはりつめた状態」)で音に過敏に反応しやすかったものが、TREを続けたことで自律神経系がリラックスできるようになり平常時のストレス値が下がったからだと思います。
今はストレスが強くなると、その音が大きく聞こえて「神経に触るよう」に感じるので自分のストレス値の変化に早く気づけるようになっていますし、ストレスへの対処が早くできるので、イライラして爆発したり・疲れきってダウンするということがなくなりました。
もし、聴覚過敏・感覚過敏で特にお悩みの方にはポリヴェーガル理論を提唱したポージェス博士が開発したSSP(セーフ&サウンド・プロトコル)という、音を使った自律神経系(迷走神経)を調整する手法も試してみる価値はあるのではないかと思います。
こちらは、ヘッドフォンで独自に調整された音楽を聴いて、中耳の筋肉の緊張を緩めて神経系の働きを調整するというものです。わたしも数週間試してみたことがあるのですが、音に対する過敏さの軽減と対人関係で感じていた緊張感に変化を感じられました。
ご興味があれば「Safe & Sound Protocol セーフ&サウンド・プロトコル」で検索してみてください。
では、また!