ソマティック・エクスペリエンスのセッション受けてきました-号泣の50分


この記事を書いた人

たじりなおこ

TRE(トラウマ&ストレス解放エクササイズ)で長年の悩みを解消できた経験から「TREをもっと広めたい!」という想いで活動中。2019年国際認定プロバイダー、2024年アドバンスプロバイダー取得。20代半ばからセラピストとして約7年間、解剖学に基づくメディカルマッサージ、フォーカシングをベースにしたカウンセリングを提供。2児の母。TREで健やかな毎日を♡ 
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先月、はるばる北海道へ行ったのを機にトラウマセラピーを専門にされている藤原ちえこさんのSE(ソマティック・エクスペリエンス)のセッションを受けてきました。SE初体験です。

 

藤原さんのブログやメルマガ、連載記事を読んで、わたしの心の深いところあった解けないパズルのピースがつながり、視界が開けた経験をしていたのでぜひ一度対面でセッションを受けたいと思っていたのです!

セッションテーマはこれに決めた

久しぶりに自分のために受けるセッション。

 

せっかくの機会なのでここぞというテーマをもっていくことにしました。わたしには実際に起きた出来事の記憶なのかそれとも自分でつくりだしたイメージなのかわからない小さい頃の断片的なイメージがあり、それが何かの拍子に脳裏に浮かんできます。人には話したくないような心地よくない感覚のものです。

 

それについてだいぶ前に他のセラピストさんに相談したところ、記憶かどうか曖昧なのであればそれは本物の記憶じゃないのよ。と言われたことがあり釈然としない気持ちになったことがありました。けれど、トラウマの勉強をしていくと、身体は自己防衛のためにトラウマが起きたときの記憶を閉じ込めて思い出さないようにすることもあるし、またトラウマ体験の記憶は断片的に残っているということがあることもわかったので、もしかしてこれは…と思ったのです。

もちろん、それがトラウマ体験の記憶の一部だったとしても大切なのは現在の状態ということこも頭ではわかっていました。原因探しは意味があまりないと。でもやっぱり気になる!ということでその話からスタートすることに。

 

 

セッションが始まって藤原さんから今日はどのようなことでいらっしゃいましたか?と聞かれて話そうとすると言葉がつまりました。「ああ、カウンセリングにいらっしゃるクライアントさんはこんな気持ちでずっと内に秘めていたことを言葉にする。とても勇気がいることだな」と改めて感じました。自分の内面を話すのに慣れているわたしでこうですから、はじめてカウンセリングを受ける方は緊張しますよね。この感覚久しぶりだなと初心にかえった気持ちを脇におきつつ自分の話を進めました。

 

結果からお話すると、持っていったテーマとは全く別の方向へセッションは進みました(笑)

藤原さん曰く、何が出てくるかは身体次第。必要なものであればセッションを続ければ出てくるしそうでなければ必要ないということだそうです。うん、それはもう思考レベルのものではないのでおまかせするしかないですね。

顔なじみのインナーチャイルド

この日に出てきたものは何度も対話をしたことのあるインナーチャイルドでした。

この子が出てきて「えっ、また出てきたの?まだいたの!?」と正直びっくり&半分がっかりした気持ちになりました。なぜなら、何回も何回もこの子の話を聞いて受け入れて抱きしめてきたから。でもまだここに…という感じです。

 

 

けれど、藤原さんのリードのもとに自分の身体感覚をたどりながらインナーチャイルドと対話をしていくと、今までにない方向へ進んでいきました!!!これにはもう度肝抜かれました。今まで「大人のわたし」がこの子を「受け入れる」ことしかしていませんでしたが、なんと今回はこの子が大人のわたしを「受け入れて」くれたのです。

 

なんとまぁ無邪気な感じで、大人のわたしは意識の深いところに「ちゃんとしていないと受け入れてもらえない」という思い込みがこびりついていたようなのですが、その子に「そんなのどうでもいいから、あそぼ~♪」と言われました。

今までずっと小さく固まっていた意固地なその子がふっと緩んだと思ったら、笑顔になってそのままのわたしを受け入れてくれる。こどもって単純で素直ということを感じつつ「無条件に受け入れてもらえる」ことを感じて涙が止まりませんでした。これはわたし自身の自分に対する態度、周りとの関係性に深い関りがあることも一緒に感じました。

さらっと書きましたが、予想外に自分でも驚くくらいセッション中ほとんど泣きっぱなし、鼻水ズルズルでした (笑)

そして身体が緩むとフウ―っと大きな深呼吸が自然に出てくる大きな解放を感じる時間になりました。

身体感覚と共に進む優しいセッション

わたしの体験した初SEセッションは、これまで受けたセラピーの中で最も優しく感じられました。

安心できる身体の部分にアンカー(船がどこかに行かないようにするために海底に落とすイカリ)をおろして、身体を探索していく感じです。ブワッと湧き上がってくる居心地の悪い感情もその安心感を感じながら観察する。シンプルな作業なのですがそれが落ち着いて、無理なく、自然に変化が沸き起こるようでした。

意図的に先に進むようなこともないし、思考をつかって整理だてることもありませんでした。ただ、身体感覚と共に一緒にいて、変わるだけの変化を感じる。思考・感情・身体の一体性を感じながら進むのでズレがなく、藤原さんの存在感と導き、観察眼のおかげで安心してその過程を歩むことができました。そしてセラピーでたまにあるセッション直後は安堵感や解放感があるのにしばらくすると元の状態に戻ったように感じることも一切ありませんでした。このセッション中の感覚はわたしにとって大きな体験になりました。

 

セッションを受けてからしばらく経ちますが、わたしの内面の深いところで感じる「自己肯定の感覚」「外の世界・周囲の人とのつながり」に安定感が増したように感じます。この自己肯定感や人とのつながりというは人生をつくる土台なので、ここに信頼がないと生きづらさや自分でいることの安心感の欠如、自己存在がバラバラなような感覚などを感じることがあるかもしれません。そのような場合はひとりで悩まずに上手にセラピーを活用してみてくださいね!

 

今回お世話になった藤原ちえこさんのウェブサイトです。不定期で関東・関西への出張セッション、遠方の方へはオンラインセッションも行っているそうです。

プレマカウンセリングルーム

関連図書

TREを学ぶなかで参考に読んだ本です。著者はソマティック・エクスペリエンスを創設された方です。

分厚いですが内容が濃く一気に読み終わりました。

ピーター・A・ラヴィーン著:『身体に閉じ込められたトラウマ』(Amazon)

同じ著者で藤原さん訳の本も出ています。わたしはまだ読んでいないのですが、もしかしたらこちらの本の方がより一般向けかもしれません。

『心と身体をつなぐトラウマセラピー』(Amazon)

 

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