TREトラウマ緊張解放エクササイズ 人生に起こった変化


この記事を書いた人

たじりなおこ

TRE(トラウマ&ストレス解放エクササイズ)で長年の悩みを解消できた経験から「TREをもっと広めたい!」という想いで活動中。2019年国際認定プロバイダー、2024年アドバンスプロバイダー取得。20代半ばからセラピストとして約7年間、解剖学に基づくメディカルマッサージ、フォーカシングをベースにしたカウンセリングを提供。2児の母。TREで健やかな毎日を♡ 
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プロバイダーになるべく勉強をはじめたTRE(ストレス・緊張・トラウマ解放エクササイズ)。わたしはこの手法によって人生が大きく変化しました。幼い頃から抱えていた「感情的な問題」を解消することができたのです。今回はその変化についてお伝えしたいと思います。

目次

TREとの出会い

マッサージセラピーの師匠である國分利江子さんから紹介いただいたTRE。國分さんがプロバイダー資格取得のための課題に取組んでいた際のお手伝いで体験したのが初めてでした。

まず筋肉を少し疲れさせる筋トレのようなエクササイズをして、その後に床に寝転がると、あら不思議!身体がひとりでに震え始めるのです。この震えが身体や感情的な緊張を変化させていきます。

はじめての人はまったく震えないこともあるそうなのですが、わたしは1回目からバタンバタンと音を立てるほど腕や頭が動きまくって(笑)自分の意志ではないところで身体が動くことに衝撃を受けました。わたしという存在=身体ではないんだなと感じました。動いている間は、ひたすら筋肉の動きと心の動きの観察を続けました。

手の届かない筋肉がゆるんだ

1回目のエクササイズ後にさっそく身体の変化を感じました。セラピストということもあり自分のからだに意識を向けるのが得意なので変化を読み取りやすかったというのもあると思います。

最も印象的だった変化はボディワークでは直接手が届かない筋肉の緊張の緩み。肩甲骨と肋骨の間の筋肉、頚椎1・2番と後頭骨の間の筋肉などです。ずーっと頭の付け根に違和感を感じていたので、その違和感に変化があったのは驚きでした。この筋肉のゆるみは持続している部分と、以前よりは緩んでいるけれどもまだ緊張している部分の両方あります。

怒りがスーッと通りすぎていく

衝撃的な初体験を経て、これはおもしろい!ということで2日に1回のペースで自宅でエクササイズと國分さんのセッションを1か月に1~2回を続けました。

TREの特徴は自宅でもエクササイズができるところです。震えの調整を自分でできるようであればプロバイダーのところへ毎回通わなくてもいいのです。

2ヶ月くらい続けたところで、驚くべき変化が現れました。

お恥ずかしながら、わたしは「怒りのパターン」を幼い頃からもっていました。これをどうにかしたくて心の勉強をはじめたといっても過言ではありません。そのパターンというのは、両親や夫など近しい関係の人のみに出る怒りで、自分を否定されたと感じると突発的に出てくるものでした。自分でもコントロールができない狂気のような衝動です。どのような姿になるかは…秘密にしておきます(笑)

このパターンはインナーチャイルドをケアしていく中で改善されていたものの、根本から大きな変化を起こすことができていませんでした。TREをするとその中で小さい頃の記憶がふっと頭に浮かんでくることがあるんですね。それは画像のようなイメージであったり感情を感じるものもありました。

TREの振動中に出てきたイメージや感情は本来であれば受け流すだけなのですが、わたしは実験的に浮かんだものを振動を終えてからセルフカウンセリングで感情を受けとめて書き換える作業を繰り返しました。

そして驚きの日!

その日は疲れていてストレスを感じていた状態でした。そこで、夫がわたしを否定するような発言(本当は否定していないれどわたしがそう受けとめてしまう)をしたのです。それは地雷を踏んだようなもの。しかし、その日わたしの地雷は爆発せずに宙に消えていきました。わたしの頭の中では夫に向かって攻撃的なことを言っているイメージが映画のワンシーンように流れていきました。でも、わたしはその行動を起こしませんでした。

一瞬の沈黙…。

「あれ?いまのって??」と夫が驚きの表情。「この状況でいつもだったら怒ってるよね!?」と。私自身もなんだか不思議な感覚と驚きが混ざったようなものを味わいました。

そう、この日からわたしは30年来続けてきた怒りのパターンが出る頻度がどんどん減っていき、今ではまったくなくなりまりました。たまにストレスがたまるとそれなりに怒りっぽくなりますが(笑)、以前とは比べ物にならないくらいです。

幼いころの体験がトラウマに?

この変化についてTREで体験したことと幼いころの記憶・感情を振り返ってみました。TREは心理ワークではないので本来は感情や過去の出来事を掘り下げることはしないのですが、カウンセリングの視点からの考察をしてみました。

TREの振動中に、幼いころに母親に叱られた記憶がたくさん出てきました。そこでは、今まで感じてこなかった悲しみ、怖さといった感情が伴うこともありました。

これまでトラウマというのは突然の衝撃的な出来事でつくられるものだと思っていたので、このような日常的なこととは無関係だと思っていました。しかし、結果的に振り返ってみると幼いころに叱られたという体験がトラウマになっていたのでしょう。

そのときの身体やこころの緊張が神経のパターンとしてからだに記憶されて、大人になってからも叱られる(近しい人から否定されると感じる)ことがあるとそれ以上傷つくことがないように相手を攻撃することで自分を守るという反応が出ていたのだと思います。

わたしの「怒りパータン」は自分でどうにかしようとしてもどうにもならない感じ、反射神経で怒りが飛び出すような感覚だったことに納得がいきました。それは、わたしが考える間もなく体がひとりでに怒り出す、自己防衛として出る本能的な反応だったのです。TREはこの幼いころに記録されてしまった神経的なパターンに変化をもたらしてくれたのだと思います。

まとめ

わたし自身、この変化に驚いて感動してぜひこれを必要としている人に届けたいと思いプロバイダーの勉強を始めることに決めました。奥が深くてまだまだ学ぶことはたくさんありますが、専門性を高めて適切に提供できるようになりたいと思います。

今回はわたしの個人的な体験をお話しました。TREによる変化の感じ方については個人差があることをあらかじめご承知いただければと思います。

TREを体験してみたいという方はセッションでお待ちしています!

参考図書

『人生を変えるトラウマ解放エクササイズ』(Amazon)

バーセリー博士のTREを開発するまでのエピソードやエクササイズの方法が記載されています。

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