この記事を書いた人
たじりなおこ
TRE(トラウマ&ストレス解放エクササイズ)で長年の悩みを解消できた経験から「TREをもっと広めたい!」という想いで活動中。2019年国際認定プロバイダー、2024年アドバンスプロバイダー取得。20代半ばからセラピストとして約7年間、解剖学に基づくメディカルマッサージ、フォーカシングをベースにしたカウンセリングを提供。2児の母。TREで健やかな毎日を♡
▶プロフィール詳細
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たじりなおこ
TRE(トラウマ&ストレス解放エクササイズ)で長年の悩みを解消できた経験から「TREをもっと広めたい!」という想いで活動中。2019年国際認定プロバイダー、2024年アドバンスプロバイダー取得。20代半ばからセラピストとして約7年間、解剖学に基づくメディカルマッサージ、フォーカシングをベースにしたカウンセリングを提供。2児の母。TREで健やかな毎日を♡
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TRE(トラウマ・緊張 リリースエクササイズ)のプロバイダー養成コース・モジュール1を受講してきました。大阪開催で3日間のコースだったので2歳の息子のお世話は夫にお願いしました。
さすがの私も丸3日家を空けるのは初めてです。帰ってくると息子の態度がなんだかおかしい…。トラウマ解放のメソッドを学びに行ったのに息子のトラウマになるようなことをしていたら本末転倒!(笑)ということで、学んできたことを息子へ応用したエピソードをお届けします。今回の外出は親としての在り方や子どもが親に求めている本質的な欲求などを考える機会にもなりました。
本題に入る前にさらっとTREモジュール1の内容を紹介をしようと思います。
モジュール1の講義内容はほぼ神経系がトラウマとどのように関連するかの話でした。トラウマがつくられるとき・保持しているとき・解消されるときの神経的プロセスを学びました。TREは創設者のバーセリー博士が臨床を重ねて作り上げられたものなので脳神経の科学的な理論は今も進行形で研究され続けています。
トラウマというと、大きな災害やショックの大きい出来事によって引き起こされるものとイメージしがちだと思います。わたしもTREに出会うまではそう思っていました。けれども、本当に小さな出来事が年齢に関係なくトラウマになることがあることがわかりました。トラウマという言葉を、心やからだのストレスや緊張と言い換えてもいいと思います。それらが、きちんと「完了」されないと身体に記憶として残ってしまうのだそうです。
「完了」というのは、何らかの出来事で高まった心身の緊張をほどくプロセスです。草食動物がライオンに食べられそうになると体がギュッと緊張します。そして、運よくライオンが去っていくとその緊張をほどくためにブルブルっと体を震わせます。この「出来事→緊張→解放」というプロセスを経ることでトラウマになることを回避しているのです。
人間の場合も、すごーく緊張した後に思わず泣いてしまうということを見たり体験したことのある方がいらっしゃるかもしれません。それも同じような解放のプロセスです。しかし、理性的に振る舞っていたり常に緊張様態にいる場合はそれを解放する機会がなく身体に残ったままになってしまうのです。それをTREは震えによって解放を促します。
この理論を学んだことで今まで提供していたインナービジョンのカウンセリングの理解も深まりました。わたしは脳や神経の専門家ではないので詳しくは理解できませんし、現段階での理解が不十分なところもあると思いますが、トラウマをつくらないためのプロセスというのもイメージがつきました。
3日後に帰ってくると息子の様子がなんだか変だ…。
少しよそよそしくて、目を合わせてくれない。つながっている感覚が薄い。
夫に3日間の様子を聞くと1日目は「お母さんはどこ~?」と寂しそうだったけど、2日目になると全然平気そうだったと。その話を聞いたので少し安心してしまいました。
息子にも「寂しかった~?」と聞くと「さみしくなかったよ!」と返事。
「また家を空けることがあるけど、どうかな?」と聞くと「ひとりでおるすばんしてるから!」と気丈に振る舞う。
そうか、寂しくなかったのか…予想に反して大丈夫なものか~と少し寂しい気持ちもしていたら大間違いでした。
帰宅した翌々日の朝、起きて早々「おとうさん~おとうさん~」と抱っこをねだって泣く泣く。
わたしが代わりに抱っこするとのけぞって拒否。何をするにも拒絶されるものだからわたしも悲しくなって号泣(笑)
泣くわたしを見て息子も泣きわめく…。
夫に協力を仰いで3人でハグをすると息子も少し落ち着いてわたしの膝の上に座りました。
そこで「3日間もお母さんいなくて寂しかったよねぇ~、お留守番ありがとうね~」と頭をなでなでしてあげると、ふ~っとつながる感覚が戻ってきて、息子の緊張がほどけていくのもわかりました。
しっかり言葉も話せるので額面通りに受け取ってしまいましだが、まだ幼い子にとっていつも家にいるお母さんがいなかったら寂しいのは当たり前ですよね。しかも初めての長期の不在。泣かずにがんばっていた息子のことをわたしから受けとめることをせずに通り過ぎようとしてしまったことが失敗だったなと思います。
講義で学んできたことを応用して考察すると、母親が家にいない間、息子の心的な緊張(不安・悲しみ)が続いていたと思います。泣くこともなく気丈に振る舞っていたので、わたしの帰宅後もその緊張がほどけることがありませんでした。
しかし、2日経ってからその緊張の限界がきて泣くこととわたしへの拒否反応が表に現れました。おそらくそのまま放置されたり、気持ちに寄り添ってもらうことがなければその緊張が身体に残り続けてトラウマ的なものになっていたかもしれません。受け入れてもらい共感してもらうことで安心感の精神状態へ戻って来ました。高まっていた緊張の解放です。
とはいっても、これはわたしが外から観察した内容なので、実際に息子にとってどのような体験になったかは本人にしかわかりません。こころのキズになっていませんように(*’ω’*)
今回は子どもの心と共にあることの重要性を身をもって体験しました。子どもの体験すべてにわたしが責任を持つことは不可能ですが、お互いに穏やかでハッピーでいられる信頼関係を築いていこうとこころを新たにした出来事になりました。
TREを体験してみたいという方はこちらのページ認定プロバイダーリストをご確認ください。北海道から沖縄まで各地にいらっしゃいます(^^)